幼馴染
「やっぱ目が細いってポイント低いと思うんだよね」
俺の幼馴染は結構残酷なことをはっきり言える子だ。
「え?」
「いや、遺伝だからしょうがないとは思うけどさ、うん」
「……」
「あっ! サトシ君とかって男の子のくせしてすごく目でかいよね!」
「そういや、そうだな」
「やっぱ目が細いのはなー……うーん」
「……」
は俺がまだ小さい頃、まだ二番目の兄弟が母さんのお腹にいたころからの付き合いだ。
かれこれ十年近く一緒にいると思う。昔を思い出せば、出会った頃のは恥ずかしがりやで、いつもママの後ろに隠れて……
可愛い女の子がお隣さんに越してきたって子どもながらドキドキしたなあ。
がタケシくんって初めて呼んでくれた時はそりゃもう可愛
「ねえ話聞いてる?
……なにその顔タケシ気持ち悪い」
「……」
今じゃこの有様だ。
いや、これはお互いの仲だから言えることなんだ。現に彼女の表情からは悪意は感じない。悪意は。
は俺より一つ年上で、今ではニビシティのポケモンセンターの手伝いをしている。ポケモン医療について勉強しており、
ジムリーダーの息子でブリーダーに興味ある俺には彼女の話は身になることも多く、
互いに忙しいながらも時間が空いた時、家で一緒に勉強会をする。
勿論どちらも実家だ。
「あーあ、タケシーお腹へったー」
「お腹へったって勉強し始めてたったの十分しか経ってないじゃないか。
というか俺の目の話ししか……」
「お腹へったー」
「……しょうがないな、夜食作るから、食べたら絶対勉強するんだぞ」
「やったー!」
一つ年上と言ってもは俺にとって幼馴染だ。お姉さん!と取り乱したりはしない。
幼馴染の目からしても美人とまではいかなくてもは可愛いと思うが、なんというか長年の付き合いだからなあ。
妹たちと同じように思っている所はある。
にしても俺はこの扱いでいいのだろうか。少しはズバッと言ってもいいのかもしれない。目が細いって地味に傷ついている。
いくら仲が良いっていったって言っちゃいけないこともあるはずだ。
それに、俺だって男だ。いつまでも尻にひかれな
「あ、タケシ」
「? なんだ?」
「料理の出来る男はポイント高いと思うよ」
「え?」
「はい、早く夜食作ってくるー」
だからこの幼馴染は、
不満を考えながらも俺は台所で彼女の好きな鮭おにぎりを握る。